う~ん、タイへの事業進出、投資を検討している皆さん、またはすでに投資してしまっている皆さんにはあまりよいニュースではないかもしれません。

 地域住民の訴えにより、タイの中央行政裁判所が、ラヨン県のマプタプット工業団地周辺の投資事業計画の大部分を差し止めてしまったんです。
 理由は環境問題だそうです。この地域では、企業が垂れ流した工業廃水で沿岸部が汚染されるという被害が出ているそうです。

 この事業停止処分の取り消してもらうためには、対象企業が環境アセスメント等の必要な対策をとらなければなりません。

 今回対象となった企業は、外資系ばかりではありません。
 タイのセメント大手、サイヤム・セメントも対象となっており、18件、投資額にして役5億バーツ(約15億円相当)の投資事業が停滞することになったそうです。

 

 日系企業だと、旭化成ケミカル、三井化学、新日鐵等、7社の投資事業が停滞することになりました。

 ただ、この一件をもって、タイを投資対象国として不適当とするのは早計にすぎます。もともと、タイは先進国に比べれば、環境問題への対策がかなり遅れている国です。新興国として、将来先進国の仲間入りをするためには、通らなければならない道とも言えます。

 もっとも、タイへ事業支出しようと考えている日系企業、特に製造業は、今後進出する際に環境問題への対策もしっかり立てておく必要があります。この点を怠ると、無視できない投資リスクになるでしょう。  また、進出エリアによっては、地域住民に対する根回しも必要になってくるかもしれませんね。今回も住民訴訟ですから。