1 茂木健一郎さんの講演

 先週の日曜日に銀座のETRO主催のおもしろいイベントがありました。

 脳科学者でテレビにもよく出る茂木健一郎さんが、ファッションの色が脳にどのように効くか、について語るということで、私もお話を聴いてきました。

 茂木さんのお話では、日本人は自分の存在をアピールする色を好まず、黒とか色とか、どちらかというと自分を目立たせない色を好むという文化的背景があるようです。

 しかし、スポーツ選手で赤のユニフォームと青のユニフォームを着た選手とを比較すると、赤のユニフォームを着た選手の方が成績が良いという研究結果があるそうです。明らかな技術的差異がある場合はともかく、実力や技術が拮抗している場合は、赤いユニフォームのほうが良い成績を残せるということです。

 闘志を象徴する赤という色に人は無意識にも恐怖感を感じるようです。そういえば、武田の騎馬隊も「赤備え」でしたね。赤の鎧に包まれた武田の騎馬隊は見た目にも強そうに見えたそうです。武田家滅亡後、徳川家康の家臣・井伊直政が、武田の騎馬隊を参考にして採用した「井伊の赤備え」も有名です。

 ところで、茂木さんのお話が終わった後、質疑応答の時間が設けられたので、私の方から、「弁護士にふさわしい、弁護士らしい色は何色ですか」という質問をしてみました。
 茂木さんのご意見は大変興味深かったです。弁護士にふさわしい色は、世間の人が弁護士にどのようなことを期待しているかで規定されるということでした。脳にどのように効くかということよりも、文化的・社会的に形成されたイメージで決定されるようです。
 確かにそうですよね。赤が激しくて強そうな色だからといって、まさか赤いスーツを着て法廷に立つわけにはいきませんよね。

2 ETROの色彩と脳科学

 ETROは、私の印象では、どちらかと言えば派手な色を使ったデザインが特徴的なように思います。
 同じイタリアン・ブランドのアルマーニに比べると、派手だと思います。アルマーニは、デザイン性は高いと思いますが、色としては無難な色が中心ではないでしょうか。だから、アルマーニはある意味着やすくて合わせやすいところがあります。
 そうは言っても、茂木さんのお話では、ETROは派手な色だけを使っているわけではなく、黒や白なども含めた多彩な色を使っていて、そのバランスが脳の働きに良いそうです。

 ETROを着こなせるようになると、本当にオシャレな人だなと私も思います。  私の場合、基本的にはアルマーニのスーツが多いのですが、最近、ETROも着るようになりました。弁護士という職業とETROというブランドの相性についてはまだ未知数ですが、今後、ETROブランドを中心に、私なりの「弁護士色」を追求してみたいと思います。